医療法人 社団 我汝会 さっぽろ病院医療法人 社団 我汝会 さっぽろ病院

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膝でお困りの方

年代別の症状

年代別に膝によくある症状は違います。当てはまるのがありますでしょうか?

6歳未満の方
6歳~40歳の方
40歳以上の方
50歳以上の方

6歳未満の方

  • (1)さっきまで元気だったのに、夜に急に膝まわりを痛がって、火がついたように泣く。でも翌朝はケロッとしている。考えられるのは・・・
    • 成長痛
      未就学児によくある症状です。原因ははっきりしていませんが、骨や筋肉の成長に伴う痛みで、小学校入学までには自然となくなっていくようです。一度受診すると安心です。
6歳未満の方
  • (2)内股歩きで、X脚で、良くつま先が引っかかって、転びやすい。考えられるのは・・・
    • 生理的外反膝(自然なX脚)
      特に女の子に多く見られます。赤ちゃんのときはO脚ですが、2~5歳はX脚になり、6歳ぐらいでほぼ大人と同じ軽いX脚になります。6歳を過ぎてもX脚やO脚が目立つ場合は他の病気が隠れていないか調べます。
6歳未満の方

6~40歳未満の方

  • (1)スポーツや転倒・転落で、膝をひねったようだ。痛いし、足を引きずるし、みるみる膝が腫れてきた。考えられるのは・・・
    • 膝の靱帯損傷
      膝には大事な靱帯(骨と骨をつなぐバンド)が4本あります。このどれかが引き延ばされたり、切れたりします。診断・治療には専門的な判断が必要です。必ず受診しましょう。
      1. 前十字靱帯損傷:ほとんどの場合で手術が必要です。放置すると将来の「すり減り膝」が早期におきてしまうことがあります。
      2. 内側側副靱帯損傷:膝の内側のバンドのケガです。サポーターなどで膝を守り、治療します。手術に至ることは希です。
6~40歳の方
    • 半月板損傷
      膝の中に挟まっている軟骨のクッションである半月板がやぶけたり、ずれたりします。自然治癒が難しい場合は、内視鏡で治療を行い、半月板を出来るだけ残すように治療します。
    • 膝まわりの骨折
      未成年の骨はまだ軟らかく、折れるだけではなく、曲がったり、剥がれたりします。将来の成長障害や変形が起きないように、詳しく調べます。
  • (2)ふだんからX脚気味の女の子。膝が「そっくり返り」やすく、膝がずれそうに感じるときがしょっちゅうある。考えられるのは・・・
    • 膝蓋骨亜脱臼
      体質的に関節が柔らかい方がいます。特に女性でお皿の骨(膝蓋骨)が外側にずれやすいと問題になります。診断・治療には専門的な判断が必要です。
6~40歳の方
  • (3)バスケットボール、バレーボール、サッカー、陸上競技などスポーツを始めた。アキレス腱の踵の付け根が痛くなったり、膝のお皿の骨の下あたりが痛くなったりする。考えられるのは・・・
    • 腱付着部炎・骨端症
      成長期の小・中・高校生に多く、骨と腱の境目の炎症です。代表的なものに膝のオスグッド病があります。ストレッチやクーリング、消炎鎮痛剤を使用します。なかなかしつこい痛みが続きます。
6~40歳の方
  • (4)ケガをした覚えがないのに、最近膝が引っかかる感じがして、特に外側が痛い。考えられるのは・・・
    • 円板状外側半月板損傷
      軟骨のクッションである半月板が生まれつき大きい方がいます。大きい半月板は傷つきやすく、自然と破れてくることがあります。放置しても治りませんので、内視鏡で治療します。

40歳以上の方

  • (1)深く曲げると膝の内側や裏が痛くて、重苦しい張った感じがする。動かす拍子にズキッと痛むことがある。考えられるのは・・・
    • 半月板変性損傷
      40歳を過ぎると膝のクッションである半月板の質が低下してきます(変性)。お餅をほっておくとだんだんヒビ割れてくるのと似ていますね。変性した半月板にキズが入ると炎症が起こり膝に水がたまることもあります。MRIで診断できますので、受診してみましょう。
40歳以上の方

50歳以上の方

  • (1)最近、歩き始めに膝の内側が痛くなるけど、ちょっと歩くとなじんでくる。階段は特に下りが辛い。何かの拍子でズキッとくるけど、ずっと続くわけではない。考えられるのは・・・
    • 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
      クッションの半月板だけではなく骨側の軟骨まですり減ってきているようです。骨や軟骨の当たり具合によってズキッときます。歩き初めの痛みが特徴です。程度により治療が変わります。ぜひ受診しましょう。
50歳以上の方
  • (2)ちょっとつまずいただけなのに、ズキッときて、それから膝がとても痛くて歩くのも大変。夜もやんで寝られなかった。考えられるのは・・・
    • 骨壊死(こつえし)
      膝の軟骨のクッション作用が低下して、骨に負担がかかり関節の骨の一部がへこんでしまった状態です。骨がへこむぐらいですから、つまり骨折と一緒で大変痛みが強い状態です。MRIなどで検査をして、治療方法や手術の必要性などを十分検討しましょう。
    • 内側半月板後根損傷
      40歳以上の女性に起きやすく、パキッと音がして、突然膝が痛くなる状態です。MRIで診断します。自然治癒は難しく、3ヵ月以上辛いようなら手術も考慮します。
  • (3)きっかけなく突然、膝が腫れてパンパンになり、痛くて辛くて、昨夜は一睡もできなかった。考えられるのは・・・
    • 痛風
      多くは男性の足の親指に起こります。痛風の原因成分の尿酸が膝にたまりつづけて、いよいよ尿酸が悪さして膝に激しい痛みと多量の水がたまります。風に当るだけでも痛いので「痛風」というそうです。炎症を抑える治療をします。すぐ受診しましょう。
    • 偽痛風(ぎつうふう)
      男女の別なく起こります。膝の中に石灰成分がたまる体質の方がいます。この石灰成分が膝の中に溶け出すと、激しい痛みと多量の水がたまります。症状が痛風に似ているので「偽(にせ)の痛風」で偽痛風といわれています。
  • (4)ここしばらく朝方の手のこわばり感があって、両手とも同じような感じ。膝も知らないうちに腫れてきて、歩かなくても痛いこともしょっちゅうある。考えられるのは・・・
    • 関節リウマチ
      両手の朝のこわばり感、左右対称の関節の痛みと腫れ、それがあちこちの関節に移動することが特徴的な全身性の炎症が起きる病気です。多くは女性に発症します。放置すると多くの関節が溶けてしまい、身動きすら難しくなります。現在は特効薬が多くあります。怖がらずに受診しましょう。
50歳以上の方

当てはまる症状があったでしょうか?
膝に気になる症状があるなら怖がらず、油断せず、安心のためにもぜひ受診しましょう。
全国でも有数の症例数を誇る、当院の膝のエキスパートドクターが診察させていただきます。

人工膝関節置換術

  • (1)すり減って痛い膝関節の表面を薄くけずり、金属でできた人工関節をかぶせます。虫歯をけずって銀歯をかぶせると痛みなくかめるようになるのと一緒で、ひざもまた元気に痛みなく歩けるようになります。
  • 膝全体がすり減っている場合
    • 人工膝関節全置換術
      1. 膝の上下、内側も外側も、お皿の骨の裏側も薄くけずって人工関節をかぶせます。総入れ歯のような感じです。膝の形もまっすぐにきれいになります。この方法を当院では年間300人以上に行っています。
  • 膝の内側だけすり減っている場合
    • 人工膝関節単顆置換術
      1. 膝の内側だけ(または外側だけ)を人工関節に取り替えます。部分入れ歯のような感じです。膝の機能が良く保たれて、患者さんの満足度の高い方法です。経験が必要な手術ですが、当院ではこの方法を年間100人以上に行っており、全国的にみてもトップレベルの手術数を誇ります。
  • (2)他の手術方法
    • 高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)
      1. 膝の角度をO脚からX脚にかえて、膝の内側の負担を減らして痛みを楽にする手術です。重労働者、スポーツ愛好者などにおすすめです。
    • 半月板切除術・縫合術
      1. 切除術
        やぶれて引っかかりのある半月板をけずって、形を整えます。内視鏡で行えますので、翌日には歩いて退院可能です。
      1. 縫合術
        やぶれて引っかかりのある半月板を糸で縫合します。内視鏡で行えます。切除術よりも縫合術の方が医学的には望ましいのですが、縫合しても半月板がつかないことも多々あり、しっかり治るかを判断して選択します。
    • 靱帯再建術
      1. 前十字靱帯再建術が代表的です。10歳~50歳代までの活動的な方に行われます。自分の腱(膝裏のスジ)を代用として靱帯を作り替えます。

よくある質問

浜口先生

質問:膝の人工関節をすると、曲がらなくなるんでしょう?

答え:ほとんどの患者さんは、もともと手術前に曲がっていた角度までは回復します。何かの不幸なトラブルが起こったときには曲りが悪化することがあり得ます。それは、膝が化膿して再手術したり、転んで骨折して手術したり、などの場合です。これら不幸なトラブルは一般的には1~3%の発生率とされていますが、当院の発生率は0.5%と世界的にみても低いトラブル率です。

質問:退院した後もリハビリに通わなければならないんでしょう?

答え:いいえ。退院後に通う必要はありません。でも、ご自宅での自主リハビリを指導いたしますので、毎日3ヵ月は日課としてお続け下さい。

質問:人工関節は10年ぐらいしかもたないんでしょう?

答え:20年前の人工関節を入れた多くの患者さんが、現在も痛みのない生活を送っておられます。さらに進化した現代の人工関節は30年近く活躍できるとおもわれます。もちろん長持ちさせるためには確実な手技と豊富な経験を持った医師が手術を行うことが前提です。

質問:人工関節は若い人にはできないんでしょう?

答え:上記のように、現代の人工関節は進歩して30年ぐらいの耐用年数が期待されます。40歳代でも50歳代でも、しっかり検査した上で必要なら人工関節を行います。

質問:もう歳だから手術はできないんでしょう?

答え:何歳でも手術は可能です。90歳でも100歳でも、心臓や内臓の機能がしっかりしてれば、年齢は関係ありません。怖がらずにまず我々にご相談いただいて、ぜひ痛みのない人生を手に入れましょう。